福岡エリアマーケティング

下川端町のエリアマーケティング

ホテルオークラ、博多座など商業施設が目立つ下川端町エリアについてご紹介します。

【下川端町の基本情報】

下川端町全体図
南北は明治通りから昭和通りまで直線距離で約150m、東西は那珂川から土井通りまで約250mのエリアで、非常に狭いエリアです。
ざっくりと分けると中洲側は商業施設、呉服町側は住居・路面飲食店が多くなります。


【下川端町ってどんなところ?】

面積は小さいですが、大型の施設と多くの企業オフィスを含んでおり、商業地区として福岡の重要拠点となっています。
以前は川端商店街の一部“下川端商店街”がありましたが、平成11年に再開発され博多リバレインが建設され、博多リバレインには博多リバレインモール in TAKASHIMAYA(以下、博多リバレインモールと呼ぶ)・ホテルオークラ福岡・博多座・福岡アジア美術館という施設に分かれており、博多リバレインモールには福岡の有名ブランドだけでなくIDC大塚家具などの全国的に有名なブランドも入っており、5-6階にアンパンマンミュージアム7-8階には福岡アジア美術館があるため、休日はもちろん平日日中でも子供連れの主婦グループを中心に人が集まります。
ホテルオークラ福岡は「オークラホテルズ&リゾーツ」に加盟した一流ホテルであり、宿泊だけでなく、飲食店利用やウェディング・宴会場としての利用もあります。
博多座は座席数の最大1,454席で九州最大級であり、平日昼間の公演でも主婦層の指示がある演目が多く集客力に長けており、歌舞伎や宝塚歌劇団の公演は外国人観光客の来館も多くなってきています。
博多座の上はオフィスフロアとなっており、明治通り沿いにはオフィスビルが立ち並んでおり、連日にぎわいのあるエリアです。

一方、呉服町側のエリアは大通り沿いにオフィスビルがあり、エリア内側はマンションと古民家風の飲食店が並んで下町のような懐かしい雰囲気があります。


【下川端町の交通アクセス】

1日の乗降客数約16,000人の地下鉄中洲川端駅の川端口がエリア内にあり、博多リバレインモール・博多座と地下で繋がっています。
中洲川端駅は空港線と箱崎線の連絡駅のため、福岡の東西方面と博多駅・福岡空港を結ぶ福岡において重要な駅です。
昭和通り沿いの西鉄バス「中洲」や「蔵本」は宗像・北九州方面への高速バスの乗降ができ、福岡市以外の様々な場所に通じていて、少ない労力で移動ができるエリアです。



【下川端町の人通りについて】

下の地図では下川端町の歩行者数の分布を色で表わしてみました。
(赤>濃ピンク>薄ピンクで歩行者数を表しています)
下川端町歩行者数
明治通り沿いが人通りのメインで、那珂川(中州川端駅)に近いほど人通りが多くなり、駅から離れるほど人が少なくなります。
しかしながら小さなエリアですので、エリア内のどの場所でも一度お店を覚えてもらえれば集客がしやすいと思います。
博多リバレイン以外の飲食店は博多座の裏通りに集中していて、日曜日の夜でも満席になるほど繁盛店比率が高いのが特徴です。
これはオフィス街であると同時に観光客や買い物客が訪れる場所であることで曜日の区別なく昼から夜まで人通りが多い上に、博多駅ほどショッピングセンター(下川端町でいうとリバレインやゲイツ)が強くないため路面店に焦点が向きやすいという土地柄が影響していると思います。
ランチを視野に入れていて、女性および年配のお客様をターゲットとする業態の方に非常におすすめのエリアです。


【下川端町の狙い目】

中洲川端駅前や明治通り沿いは物件が出ることが非常に少なく、坪単価家賃が高くなりがちのためオープンカフェなどの業態の方以外はあまり考えなくて良いと思います。
狙い目は、昭和通り沿いや博多座の裏通りです。
土居通りは少し道幅が広く交通量が多いですが、もっと中洲川端に近い裏通りの方がコストパフォーマンス的に良い場合が多いと言えるでしょう。
特に博多座裏のあたりは道が整備されて非常に綺麗になっていますし、オフィスの方の移動経路になっていたり、博多座の出待ちのお客さんが行列を作ったりしていて裏通りとはいえ人の流れがあります。
昭和通り沿いはバス通りとなっていて単純に人の目に触れやすいのと、飲食店数が少ないので店舗が目立ちやすいという点が利点です。ただし、大通り沿いですから家賃は高くなることが多いので提示される家賃に注意が必要です。



ここで、皆様の参考になりそうな下川端町地区で人気のお店をご紹介します。
・レストランひらまつ博多
・たつみ寿司 総本店
・磯ぎよし 下川端店
・とり田 博多本店
・中華料理 桃花林
・博多ほてい屋
・和食堂山里
・信秀本店
・嵯峨野
・山水水出し珈琲
・天冨良 天寿
・Brooklyn Parlor博多
・イグニッションスイッチ
・加辺屋 川端本店
・備長 中洲川端店
・モーリスヒッポ
・ピッツェリア ナオ
・IUKI


この中からいくつかご紹介します。

『Brooklyn Parlor博多』
HP↓
http://www.brooklynparlor.co.jp/hakata/
FACEBOOK↓
http://www.brooklynparlor.co.jp/hakata/
福岡市博多区下川端町3-1博多リバレイン1F

明治通りから博多リバレインモールに向かって左手にあり、BLUE NOTEがプロデュースしたお店で東京・新宿、大阪、札幌にも店舗があります。
フカフカのソファにアイアンのシンプルなチェア、木目のダイニングチェア…と素材や形の違う様々なジャンルのオシャレな家具が並ぶ店内で、ブルックリンという街ならではの食文化や音楽、オシャレ雑貨や1000冊を超える数の本がディスプレイされており、店内の本は購入することはもちろん店内で自由に読むこともできます。

土日祝日の夜には音楽イベントが開催されたり、ホテルオークラをはじめ徒歩圏内にグランドハイアットやアーフェリーク迎賓館といった結婚式場があるため、2次会会場として貸切られたりすることも可能です。

フードメニューはハンバーガー、パスタ、ステーキ、ハンバーグなどの定番メニューとFACEBOOKページで週替わりのランチメニューがあり、ハンバーガーはテイクアウトもできます。
ふわふわのバンズにこだわりのシャキシャキ野菜とお肉の旨味がギュッと詰まったパテが挟んであるシンプルなもので、見た目は小ぶりに見えますが男性でも満足感がある一品です。
また、お洒落な内装とゆったりくつろげる空間だけでも人気があるのは十分納得できますが、こちらのお店は単品サイズのデザートがランチ料金+310円でいただけるということと、平日のランチタイム11:30~15:00までランチ注文の方はコーヒーか紅茶のお替わり自由といううれしいサービスがあり、博多リバレインのアンパンマンミュージアム帰りの子供連れのママ友会や買い物の休憩で利用されている方に重宝されています。

スイーツメニューも充実しており、14:30~はカフェタイム営業となります。
注文されてから作る、リンゴをまるごと一個入れて焼き上げた「まるごとホットアップルパイ」はこんもり膨らんだ普通と違ったパイにバニラアイスが2個重ねられているフォトジェニックな見た目で温かい焼きたてアップルパイと冷たいアイスの組み合わせが人気を呼んでいます。

“人生における無駄で優雅なものぜんぶ”を掲げているだけあってランチタイムで来店してそのままお客様がゆったりと過ごせるお店づくりとサービスを提供しつつ、14:30~のカフェタイムに入ったところで、コーヒー/紅茶飲み放題でゆったり過ごしている方にデザートメニューを持っていくことにより、追加オーダーを取りやすくなっているのではないでしょうか。
一見、店内に長居されるのはマイナスなように感じるかもしれませんが、ランチタイムが終わった平日昼間にも店内に人がたくさんいるというのは間違いなく“人気店”の証ですし、カフェ業態で回転率を気にするあまりお客様の居心地が悪くなってしまっては客足が遠のいてしまいかねません。
ランチの値段が多少割高でもコーヒー/紅茶の飲み放題がついていることで、追加ドリンクの値段を気にせずゆっくりできるお得感がうまれるため、リピートする可能性が高まります。



『博多 ほてい屋』
HP↓
http://hakatahoteiya.com/

中洲から博多リバレイン・博多座を通り過ぎ、博多座の東側の小道を北に進み、洗練された雰囲気の博多リバレインから一変、昔の下川端町の空気が漂うエリアに入り、一つ目の角を曲がり土井通りに出るすこし手前に古民家風の「博多ほてい屋」があります。
外から見た感じでは、割とこじんまりした印象があるのですが、カウンター席、テーブル席、掘り炬燵席、2階には26名まで入れる宴会場まであります。
こちらの名物は福岡では馴染みの薄い「くじらの葱しゃぶ」。
鯨を食べる習慣が強く残っている長崎の名物ですが、しっかりとした味のだしにたくさんのネギを入れてある鍋で鯨ベーコンに使用される「畝須(うねす)」というお腹あたり部位を薄くスライスしたものをしゃぶしゃぶしていただく料理です。
鯨は若い世代は食べたことがない人が多いのですが、現在商業捕鯨が禁止されており調査捕鯨の副産物としての他、輸入することによって流通しています。
鯨の肉はビタミンAが豊富で高たんぱく低カロリーのヘルシー食材で、疲労回復効果がある「バレニン」を豊富に含んでいます。
戦後の食糧難時代には日本人の貴重なたんぱく源でしたが、よく鯨肉は硬くてあまり美味しくないイメージを持たれている方が多いようです。
しかし、戦後捕られていたのはナガスクジラという種類で、現在はミンククジラとイワシクジラが主になっており、ナガスクジラのような臭みが少なく食べやすいと人気が上がってきています。
このくじら葱しゃぶの〆は「釜あげ胡麻うどん」で、しゃぶしゃぶしていた鍋でうどんをゆで、それをお出汁が入った器に丸めた胡麻を入れたものの胡麻を崩しつついただきます。
さっぱりした鍋同様胡麻の香りでつるっと食べてしまえる一度味わったら虜になる一品です。
基本的に九州・四国の大将が目利きで厳選した食材を様々な料理方法で楽しめ、他の料理もはずれがないと評判で、来店された方は大満足されます。


【最後に…】


いかがでしたでしょうか。小さいながら様々な面を持つ下川端町についてご紹介してまいりましたが、博多リバレインのおかけで中洲に比べ洗練されたイメージがあり、天神からも歩いて行ける下川端町は川端商店街を訪れる旅行者の増加の影響もあり、歩行者数は以前より増えてきました。
ある有名店の口コミに韓国人旅行者に対応できていなかったのを見ていた方が残念だと書いてありました。
度々お伝えしていますが、この先国際大会が数多く開催され外国人観光客の数も増えていきます。
このエリアだけでなく福岡都市圏で飲食店を開く場合、英語、中国語、韓国語くらいはメニューを用意しておく、簡単な説明ができるようにしておくなどある程度対策をしていくことをオススメします。
また、外国人観光客への対応だけではなく店員の教育やお客様がどうやったら食事しやすくなるかをしっかり考えていかなければ、美味しいや安いは当たり前の現代で勝ち残っていくのは厳しくなっています。
インターネット時代というのは個人が世界に対して情報を発信できてしまうため、便利になってはいるもののひとつの口コミがもしかしたら来店の妨げになっている可能性もあります。
柔軟な対応をする親切心を忘れないことで、特別びっくりするような料理でなくても愛されるお店作りができるのではないでしょうか。