福岡エリアマーケティング

渡辺通2・4丁目エリアマーケティング

【渡辺通の基本情報】

渡辺通全体図
南北は住吉通り(城南線)から国体道路(202号線)まで直線距離で約850m、東西は春吉公園通りから薬院新川まで約600mのエリアで、一般的なイメージでは5丁目と4丁目北部は「天神エリア」、4丁目南部と3丁目・1丁目が「渡辺通エリア」、2丁目は「薬院エリア」、春吉公園通り沿いが「春吉エリア」で認識されていることが多いです。

「渡辺通」というと地名と大通りの名前があるため、ややこしくなってしまい“○○のあたり”で表現することと渡辺通2丁目と4丁目は薬院駅を中心として考えるため薬院エリアと思われることが多くなっています。


【渡辺通2・4丁目ってどんなところ?】

渡辺通りの西側に位置していて、天神の中心地、三越、大丸のある天神南駅出入口付近の交差点「渡辺通4丁目」と電気ビル、サンセルコビルのある「渡辺通1丁目」交差点、薬院駅西側の薬院新川が通る交差点「城東橋」の3点で囲まれた範囲のエリアです。

西側隣には今泉エリアと接していて、エリア北側の天神で最も人通りの多い交差点の一つ「渡辺通4丁目」付近にはショッピング客、観光客、ビジネスマンなどあらゆる属性の歩行者が通り、南側に行けば九州電力を筆頭にオフィス集積地が広がり、薬院駅方面には住宅街が広がるという多様な面を見せるエリアとなっています。
特に地下街入口付近、高架下のビックカメラやロフトなどの周辺には平日、週末問わず賑わいを見せています。

付近にはリッチモンドホテル、西鉄イン天神、タカクラホテル、カンデオホテル、セントラルホテル、ホテル天神プレイス、東横イン、ホテルニューオータニなどホテルが非常に多いことも特徴で、県外海外からの観光客の集客が見込めます。
福岡市は受験生が宿泊できないほどホテルが不足していることで知られますが(引用:産経新聞(試験を受けたいのに、ホテルがない! コンサート重なり宿泊施設不足 福岡 市はホットラインも)http://www.sankei.com/west/news/170203/wst1702030007-n1.html)、週末にはホテルが不足するほどの客足がこのエリアに押し寄せますので、いかに商業的に優れたエリアであるかがわかると思います。

九州電力をはじめとした企業のオフィスが多い地区でもあるため、エリア全体を通してビジネスマンのランチおよびディナー需要が非常に高いエリアです。
このビジネスマンをターゲットとした飲み屋街があり、平日、週末と賑わいを見せています。
ビジネス街のため日曜のみ集客が鈍る傾向があります。

また、地下鉄七隈線の博多駅までの延伸開通により天神南駅の重要度が高まる平成32年から、このエリアは更に発展していくと期待されています。


【渡辺通2・4丁目の交通アクセス】

北側には地下鉄七隈線天神南駅、南側には、地下鉄七隈線渡辺通駅、薬院駅(西鉄、地下鉄七隈線)とエリアを囲むように駅が配置されています。
当然ながら交通アクセスは非常に良く、高い集客力を誇るエリアです。

渡辺通りと城南線には多くのバス停留所が設けられており、バスの利用者も非常に多いエリアですが、朝・夕と休日は混雑するため、博多駅へアクセスするには少々時間がかかるという難点があります。
この点は地下鉄延伸で解消されるため、将来的には大きく交通アクセスが向上すると思います。


【渡辺通2・4丁目の人通りについて】

下の地図では渡辺通2・4丁目の歩行者数の分布を色で表わしてみました。
(赤>濃ピンク>薄ピンクで歩行者数を表しています)
歩行者数
天神南駅と電気ビルと薬院駅周辺に駅があることからこの3点に人通りが集中しています。
本エリアに出店を考える場合にはこの3つの駅を意識した考え方をする必要があるでしょう。

南北に伸びる渡辺通沿いと西鉄高架下の路地には移動する人通りを見ることができます。
電気ビル近くの飲み屋街も南北に伸びる路地沿いに分布しています。

東西に伸びる路地は駅に近い場所以外は、南北方向の路地に比べると歩行者の数がかなり少なくなります。
駅から遠い南北方向の路地はお店の認知まで時間がかかることが想定されますから、賃料をしっかりと吟味する必要があります。


【渡辺通2・4丁目の狙い目】

全体的に人気のエリアで物件が不足しがちですが、ビジネスマン狙いの居酒屋業態などは非常に成功しやすいエリアであると思います。

空きやすい物件は人の通りにくい認知されにくい場所にある物件が多いのですが、賃料を交渉で安くすることができれば、エリアとしては豊潤な需要を抱えているので、広告で新規客呼び込みを補填しつつ、軌道に乗った時に大きな利益を上げるといったプランを考えることができる場所です。

住宅街と違い人の流入流出が激しい場所で、オフィス街特有のお客がお客を呼ぶ連鎖を掴めば短期で繁盛店が作れる夢のあるエリアです。

大通り路面や駅近くなどお店が認知されやすい場所は、賃料が坪当り2万円を超えるほどに高くなります。
天神と比べると比較的客単価の高いエリアですから、賃料負担を営業面で軽減しつつ、常にお客を満席に近い状態に保つ業態企画で繁盛店を作るとこができるポテンシャルのあるエリアです。

考え方によっては、目と鼻の先には坪2万円を越すほどの物件が存在する商業的に優れたエリアだと言えますから、一見、目立たない物件にも良く目を向けて見ると、他の人が気付かないお宝物件があると言えるのではないでしょうか?



ここで、皆様の参考になりそうな舞鶴地区で人気のお店をご紹介します。
・ピッツェリア ダ ガエターノ(イタリアン)
・いっかく食堂 天神店(定食屋)
・福岡麺通団(うどん)
・龍の巣(ホルモン/うどん)
・トリブドウ 渡辺通店(焼鳥)
・つけ串 安愚楽(もつ料理)
・CHICKEN MEN(ラーメン、つけ麺)
・旬菜旬魚 あんどう(居酒屋)
・リストランテ フォンタナ(イタリアン)
・薬院マルシェ(イタリアン)
・大名やぶれかぶれ 渡辺通店(居酒屋)
・NICK STOCK(肉料理)
・カンティーナ ガシーヨ(イタリアン)
・ヴェローナ(イタリアン)
・やま中 本店(寿司)
・億上(ビアガーデン)
・夜光杯(居酒屋)
・麹屋 天神店(パン屋)


『ピッツェリア ダ ガエターノ』
HP↓
http://gaetano.jp/
食べログ↓
https://tabelog.com/fukuoka/A4001/A400104/40028105/
福岡市中央区渡辺通2丁目7-14パグーロ薬院1F

ミスタードーナツや積文館が入っている西鉄薬院駅ビルの北口を出るとすぐにある、ビルの1階にテントで囲われたお店が目に入ると思います。
そのお店こそが『ピッツェリア ダ ガエターノ』で、外から店内の様子をはっきりとはうかがえないものの、前を通るとにぎやかに食事を楽しむ人々の声が聞こえてきます。

こちらはピッツア発祥の地であるイタリア南部のナポリのナポリ湾に浮かぶ“イスキア島”で3代継ぐナポリピッツァの名店「PIZZERIA DA GAETANO」が世界で唯一屋号を継承することを許したお店で、日本にいながら本場のナポリピッツァを楽しむことができるお店なのです。

食べログを見ていただければその人気の高さは点数とレビュー数(2017年4月24日時点)で☆3.58、レビュー数131件という数字をたたき出しており、人気店であることは一目瞭然ではないでしょうか。

店内はテントに囲われたテラス席20席と店内28席がひと続きになっており、外から見たよりも広くは感じますが、それでも予約でいっぱいになっている日が多く、平日の夜は仕事帰りのビジネスマンが飲みに来ており、休日は家族連れで本場のピッツァに舌鼓をうっています。

日本のピザは厚めの生地にこってりとしたチーズのイメージが強いですが、ナポリピッツァは薄い生地にミミはふっくらしつつもサクサクでトマトの味を活かしたモッツァレラチーズとの組み合わせのさっぱりとした軽い口当たりです。
生地が薄いのとさっぱりした味付けが手伝って、女性一人一枚でもペロッと食べられるのではないかと思うくらいです。

地中海の島の名店のため魚料理も豊富で、日本でなじみがある料理でもイタリアの味付けで調理されているため、また違った料理に感じます。

また、接客に関しても島のピッツェリアらしく肩ひじ張らないフランクな印象ながら、馴れ馴れしくならない丁寧さがあり、好印象を持ってある方が多く、本場のピッツェリアの暖簾分けだからという“ブランド感”ということが人気店である大きな要因と思いますが、程よい親しみやすさも手伝ってファンになっている人も少なくないのではないでしょうか。



『トリブドウ 渡辺通店』
食べログ↓
https://tabelog.com/fukuoka/A4001/A400103/40031433/
福岡市中央区渡辺通2丁目9-9-1F

薬院駅より城南線沿いに渡辺通1丁目交差点に向かっていくと、三角市場という小さな飲食店が所せましと並んだレトロな飲食店街があります。
その脇の通りを北に入っていき交差点まで行くと大きな「肉肉うどん」の看板が目に入ります。そこからさらに北に50mほどすすむと右手に前面がストライプのようなおしゃれなデザインのビルがあります。
そのビルの1階に『トリブドウ渡辺通店』はあります。

こちらは“焼鳥×イタリアン”のお店で福岡焼鳥総選挙で1位になった高宮通り沿いにある『トリブドウ薬院本店』の姉妹店で、シックで大人な雰囲気のお店ですが、渡辺通店の店内は無骨なコンクリート打ちっ放しの壁に温かみのある木目をふんだんに使用し、かっこよさの中に落ち着きがある居心地のいい空間です。
置いている家具がシンプルでオシャレすぎないため、オシャレなバルが苦手な層が「オシャレすぎて気が引ける」ということもなく、オフィス街の幅広い年代でも利用しやすいお店になっています。

焼鳥メインの居酒屋というのとは異なる、定番串だけでなく珍しい部位の“白レバー”をカルパッチョやレア焼串で提供し、1日10本限定の“こころのこり〈心臓と肝臓の付け根の部分〉”や“ちょうちん〈鶏の卵巣の中で卵の形になる前の卵黄の部分(きんかん)とそのきんかんが産卵されるまでに通る輸卵管や卵巣の部分(ひも)を一緒に串に刺してあるもの〉”という希少部位もいただける、あくまで“焼鳥屋”であることを主張できるメニュー展開となっており、イタリアンメニューもパスタは自家製麺したもちもちの食感で、ワインに合う“白レバーのパテ”や種類が豊富な“生ハム盛り合わせ”などこだわりを感じられる内容です。

ドリンクメニューやワインの種類も豊富でグラスワインやサングリアはもちろん、ボトルワインが2900円のリーズナブルなものから有名銘柄まで取り揃えてあるので、その日の気分やメンバーに合わせて要望に応えられるようになっています。

オフィス街での需要が多い会社の飲み会は中年の男性から若手の女性まで一気にきますので、その幅広さに対応でき、あまりゴテゴテしすぎない、かつ清潔感があるオシャレな内装を作りやすく、料理をみんなでシェアしやすい焼き鳥×イタリアンの組み合わせはアタリなのではないでしょうか。


【最後に…】

いかがでしたでしょうか。
オフィス街と飲食店街が並んでいる渡辺通2・4丁目をご紹介してまいりましたが、電気ビルがずらっと並んだその裏通りは、ビジネスマンたちのための居酒屋や小料理屋が数多くあり、仕事の疲れを癒し、仲間との交流を深める時間を支えています。
通勤路というのは嫌でも何回も通り、ある程度ルートが絞られるため、店舗外観やサインなどを工夫することによって新しいお店でも認知してもらいやすくなると思います。

会社の飲み会は団体客のため、一気に売り上げがあがるというメリットだけでなく、お店を気に入ってさえもらえれば、少人数で仕事帰りに来たり、休日に友人・恋人・家族を連れてきたり、社内以外の口コミ効果を作ることのできるメリットがあります。

福岡は勤務地と居住地が近く通勤時間が短い人が多いことと、渡辺通2・4丁目に関して言えば、薬院・電気ビル前のバス利用を考慮するとかなり交通の便がいいため、休みの日でも友人と集まる候補地にあがりやすいのです。

渡辺通2・4丁目はお店作りの際には、話題のオシャレさよりも居心地の良さ幅広いニーズに対応できるかを追求した方が受け入れられやすいかもしれません。

みんなでわいわい飲んでもらえるお店を作りたい方は渡辺通あたりをご検討してみてはいかがでしょうか。