福岡エリアマーケティング

渡辺通1・3丁目のエリアマーケティング

【渡辺通1・3丁目の基本情報】

渡辺通全体図

南北は住吉通り(城南線)から国体道路(202号線)まで直線距離で約850m、東西は春吉公園通りから薬院新川まで約600mのエリアで、一般的なイメージでは5丁目と4丁目北部は「天神エリア」、4丁目南部と3丁目・1丁目が「渡辺通エリア」、2丁目は「薬院エリア」、春吉公園通り沿いが「春吉エリア」で認識されていることが多いです。

「渡辺通」というと地名と大通りの名前があるため、ややこしくなってしまい“○○のあたり”で表現することと渡辺通2丁目と4丁目は薬院駅を中心として考えるため薬院エリアと思われることが多くなっています。


【渡辺通1・3丁目ってどんなところ?】

地下鉄七隈線天神南駅から渡辺通駅までの区間を囲むように渡辺通エリアは存在します。
この渡辺通エリアの東側部分の、桜十字福岡病院、ホテルニューオータニなどを含む場所です。

将来的に博多駅まで延伸する予定の地下鉄七隈線渡辺通駅をエリア内に含み、また「渡辺通春吉線」を中心に都市部にありながら大胆な再開発がされている、今後の成長が望まれる注目のエリアとなっています。

オフィス、病院、ホテル、スーパーなど大型の施設が多いエリアで、天神から徒歩圏内の良好なアクセスから人の出入りは多い地域ですが、渡辺通エリアの中でも「渡辺通1丁目・3丁目」は飲食店の数が少ない傾向にあります。

これは、大型の施設が大きく土地を占有していることもありますが、まだまだ民家が非常に多く、事業用の建物が不足していることが理由として挙げられます。

今後の発展に伴い、事業用建物の需要に応える形で今よりもどんどん飲食店が進出して、ガラリとエリアの雰囲気が変わるでしょう。

この発展の波に乗れれば10年単位での息の長いビジネスが充分に構築できると思います。


飲食店の事業環境としては、地域住民に加えて周辺のオフィスやホテル宿泊者をターゲットとすることができるため飲食店需要は充分にあると言えます。

もっと言えば、本エリアには飲食店数が少ないため他のエリアに本来このエリアで消化できるべき需要を取られている可能性があると考えます。

今は飲食店数が少ないため、ディナーを過ごす街というイメージを持っている人は少ないです。
そこに一石を投じるパイオニアになるつもりで挑戦する、そういうエリアであると思います。


【渡辺通1・3丁目の交通アクセス】

現状では西鉄バスの渡辺通1丁目バス停留所が主な交通手段となっています。

渡辺通り1丁目交差点が福岡各方面へ4方向につながっているため、博多駅方面、天神方面、六本松・西新方面、南区花畑方面へ広い角度でアクセスしています。

特にサンセルコ前のバス停で城南線を博多駅に向かって登っていくバス路線を多くの方が利用しているのを良く見かけますね。

平成32年に地下鉄七隈線が博多駅へ延伸完了後は、渡辺通駅が博多駅やキャナル方面へのメインの交通手段となると予想されます。
こうなれば観光客にとって余暇を過ごしやすいより良い街になるでしょう。

今後の発展は地下鉄七隈線渡辺通駅が握っていると言えそうです。


【渡辺通1・3丁目の人通りについて】

下の地図では渡辺通1・3丁目の歩行者数の分布を色で表わしてみました。
(赤>濃ピンク>薄ピンクで歩行者数を表しています)
歩行者数
サンセルコ、電気ビル、スーパー、バス停留所の兼ね合いから、渡辺通1丁目交差点付近に人の流れが集中しています。
この交差点付近だけ別格に人通りが多いのですが、目的地への移動中の人が大半を占める点に注意が必要です。

このエリアは全体的に人の流れがボチボチとあるのが特徴で、とくにエリア外周をすべて囲むように人が通っていますし、エリアを東西方向に貫く2つの路地2本にも人通りが見られます。

この2本のうち、平成28年末に開通した新道「渡辺通春吉線」は特に人と車の通りが多くなってきています。
桜十字福岡病院の向かい側には地上十数階建ての新しいホテルができていて、これからもこういった商業施設が増えていくと、人の流れが変わっていくことは十分考えられます。


【渡辺通1・3丁目の狙い目】

エリア全域で狙い目となる稀なエリアです。
福岡市の中でもエリア全体として相対的に今後ビジネスがしやすい場所であるということは間違いなく言えます。

これは、「エリアが全体的に集客源泉のオフィスやホテルに囲まれている」「エリア内に競合となる飲食店の数が少ない」ことが理由です。

この中でも敢えて狙い目をつけるとすれば「渡辺通に近いところ」ということになるのでしょうけれど、これは賃料が高くなることが容易に予想されるためエリア内の相対的な狙い目となるとはまでは言えないです。

絶対的な集客源泉に囲まれているエリアですから、賃料が比較的安くなるのなら人の通りにくい狭い路地の店舗でも「良い物件」という判断も充分にできるエリアです。

競合が少なく、エリア周辺のターゲットをしっかりとリピートさせていくことが求められるエリアですから、展開する業態コンセプトが素直に業績に反映されるエリアと言えるでしょう。


ここで、皆様の参考になりそうな渡辺通1・3丁目地区で人気のお店をご紹介します。
・梅山鉄平食堂(定食)
・串匠 渡辺通店(串カツ)
・猫と魚(小料理)
・グリーンハウス(西洋料理)
・鮨 あつ賀(寿司)
・味魂 さだ之輔(居酒屋)
・海木(懐石)
・中国料理 大観苑(中華)
・やま中 ホテルニューオータニ博多店(寿司)
・有吉商店(担々麺)
・博多だるま(ラーメン)
・うめのま(カフェ)
・角と(割烹)
・manu coffee春吉店(カフェ)



『有吉商店』
HP↓
http://www.ariyoshi-syouten.com/index.php
食べログ↓
https://tabelog.com/fukuoka/A4001/A400103/40033915/
福岡市中央区渡辺通1丁目8-18

知る人ぞ知る、隠れた名店【有吉食堂】は豚骨スープを使った坦々麺のお店です。
渡辺通り北の交差点から桜十字病院の方に入り、ガソリンスタンドの手前の道を南に曲がれば昔ながらのラーメン屋さんの看板が見えてきます。

店内は1階がカウンター、2階がテーブル席になっているのでおひとり様でも気軽に入れる雰囲気になっています。

メニューは看板の博多坦々麺(740円~)から豚骨ラーメン(580円~)、醤油ラーメン(660円)、ちゃんぽん(850円)などの麺類だけではなく時間帯によってメニュー内容がかわり、おつまみメニューも豊富で夜中3時まで営業しているため、居酒屋としても利用できます。

知らなければ店の前を通ることも無いかもしれない立地ですが、担々麺や鶏ガラで作ったヘルシー担々麺、味噌担々麺など担々麺自体にも種類が多く、幅広いニーズに応えられていることから多くの人に支持されています。

また、天神や中洲で飲んだ後、単身居住者が多い清川・高砂・白金・平尾へ帰る途中で〆として来店する方も数多くいるようです。

中洲から歩いても15分くらいで着くので、意外とちょっと寄っていこうかという感じにもなるのかもしれません。


『梅山鉄平食堂』
HP↓
http://umeyamateppei.com/banana/
食べログ↓
https://tabelog.com/fukuoka/A4001/A400103/40018886/
福岡市中央区渡辺通3丁目6-1

渡辺通、BiViの向かい側にあるフコク生命ビルの横の細い路地を入ったところにある定食屋です。

玄界灘の新鮮な魚を提供している福岡一有名な食堂といっても過言ではない超人気店。

店内は明るい木材をふんだんに使用しており清潔感と活気のある雰囲気です。
路面に面してはいますが面している道路は一方通行の細い道で普段人通りも多くはありません。
立地だけみると良いという訳ではありません。

しかしながら、お昼時には連日長蛇の行列ができランチタイムに入れない事もある集客力を持っています。

献立ては常時60種類以上もありその日の仕入れ具合により毎日変わります。
またHP上で朝9時にその日の献立てがUPされ確認できるようになっていて事前に何を食べるか、決める事も出来ます。

メニューはほとんどが魚を使った料理で構成されており季節によって旬の魚を『〜胡麻定食』として提供しているメニューは断トツの人気を誇っています。

このお店のもう一つの特徴は回転率、提供スピードの速さです。
業態的にけして回転率を上げられるお店ではありませんし、どれも手が凝った献立てですが、料理の提供時間も殆どが5分以内で出てきます。

行列が出来ていたとしても30分以上待たなくていけないということは殆どありません。

一人あたりの単価は1,000〜1,500円前後でランチにしてはかなり高単価な方ですが、その日の朝に水揚げされた新鮮なお魚を豊富な調理法で食べられる本店舗は何回いっても飽きない、毎回新鮮な気持ちで食べられる食堂です。
たまの贅沢なランチもいいかもしれませんね。

連日行列が出来ても円滑に回せる回転率とオペレーションにも注目されるのも良いかと思います。


『うめのま』
HP↓
http://umeyamateppei.com/muscat2c/
食べログ↓
https://tabelog.com/fukuoka/A4001/A400103/40031981/
福岡市渡辺通3丁目1-16アビターレエクセラ1F

薬院からキャナルシティまでつなぐ「渡辺通春吉線」の桜十字病院を通り過ぎたガソリンスタンドの隣のマンション1Fにこちらの『うめのま』はあります。

実はこちらは先ほどご紹介した『梅山鉄平食堂』の系列店なのです。

店内は和カフェに似つかわしい抹茶色の壁と木目調のテーブル、藤の椅子でシンプルな感じの中にオシャレな照明や飾りが施された和モダンな内装です。

抹茶をメインとした飲み物や甘味をメインとしており、シンプルな抹茶は福岡県八女の抹茶を使用し、初めてでも気軽に楽しめるように一服の半分の量の半服から提供しています。

甘味で人気が高いのは「果物あんみつ(800円)」で、季節の果物が器からあふれんばかりに盛られており、ブドウ、メロン、キウイ、杏などの果物の他にあんこ玉、流しものとよばれる錦玉羹と牛乳寒天とボリュームたっぷりです。

果物はコンポートにして酸味を調整してあり、あんこや白玉などとバランスがとれた味わいになっています。

また、『うめのま』の名物のひとつがあんみつの中央に盛られている「植物アイス」なるもの。
「植物アイス」とは白あんや豆乳、サトイモ・山芋などを用いて作られた100%植物性のアイスで、まったりとしたくちあたりとやさしい甘さは他では食べたことのない新食感と口コミでどんどんと広がっていきました。

名物には他にも夏季限定で登場する「大人のかき氷」と称される「抹茶あんみつかき氷(900円)」があり、ふんわりと盛られた氷に6杯分の抹茶を凝縮した蜜がたっぷりかかっています。
抹茶の奥深い味に練乳(+100円)や抹茶リキュール(+300円)をお好みで追加して味の変化を楽しめます。

さらに「こごり(400円)」というジュレとソルベの間の食感というこれまた新食感の口に入れた瞬間はどろっとしたジュレのような食感なのにその後シャリシャリとしたソルベのような食感もあり不思議な甘味です。

果物のコンポートを基にして作っており、果物の組み合わせはその日によって違うそう。

手の込んだ手作り和菓子もラインナップされており、一生懸命さがよく伝わるお店です。



【最後に…】

いかがでしたでしょうか。
地下鉄七隈線『渡辺通』駅があり、ホテルニューオータニやサンセルコがあるというところまでの認識がほとんどだとは思いますが、一見人気店には思えないところが、予約が取れない人気店だったり口コミ評価がとても高いお店だったり…という、“渡辺通”というブランド力がある土地でもないのに名店が揃っている面白いエリアです。

しかし、渡辺通春吉線の開通により交通量が増えたこと、博多エリアからの交通の便が良くなること、そして今まで迷路のような道を通って辿り着いていた渡辺通の裏道エリアがかなり行きやすくなったことを考えると、集客に自信がある方は少し中心部からは離れてしまう印象ですが、考慮に入れてみてもいいかもしれません。