福岡エリアマーケティング

大名1丁目のエリアマーケティング

【大名の基本情報】

大名は上の地図のように黒い線で示した道路を境に1丁目、2丁目と分かれており、南北は国体道路から昭和通りまでの約550m、東西は西通りから大正通りまでの約550mの範囲になります。
大名エリアマップ

【大名1丁目ってどんなところ?】
大名1丁目は福岡の中でも物販店の路面店と飲食店の数が多く、若者が多くいるエリアのひとつです。
下の図では、そんな大名1丁目の歩行者数の分布を色で表してみました。
(赤>濃ピンク>薄ピンクで歩行者数を表しています)
大名1丁目歩行者マップ
大名1丁目のなかでも各路線の天神駅から近い西通り近辺エリアは特に人通りが多く、福岡の中でも坪単価高いエリアです。このエリアは物販路面店ではZARA、H&M、FOREVER21のファストファッションの大型店舗やマイケルコース、DIESEL、ナイキ、ポールスミス等の有名ブランドが数多く出店しており、飲食店では、観光客が数多く訪れる有名店や大手カフェチェーン店ばかりです。
建物にもよりますが、西通り近辺エリアは坪3~7万程度となり、飲食店はアパレルや宝飾等に比べて客単価をとりにくく、お客様が席について食事をしている時間は敷地をお客様に占有されてしまうため、このエリアで生き残るには、ターゲット層が広く回転率の高い業態でないと高い家賃を補うことができなくなり、いくら人通りが多いといえど、業態によっては経営が厳しい面があります。
また、歩行者数は路面店の出退店により、どんどん変化しているのですが、地価を決める要素となる評価額の路線価は上下幅が大きくないため、歩行者数の現状と地価のギャップが生まれることが多々あります。
ただし、西通りに関しては人通りの減少は短~中期的に考えにくいため地価が下がる可能性は低いと推測されます。

一方、大名を大正通り(西側)にむかっていくと、だんだんと坪単価が下がっていくため、飲食店が経営しやすいと言われているエリアとなります。飲食店激戦区といっても過言ではありませんが、オフィスが少ないため日中の人通りは乏しく“この店でなければ”といえる特徴がないと、ランチ営業が厳しい一面があります。 しかし、数多くの繁盛店もあり、お客様に”少し歩いてでも”と思わせる工夫さえすれば、決して厳しいばかりではないことがわかります。

料理の内容だけでなく、ゆったりと過ごしてもらえるお店作りやサービス内容を工夫していくと、『大名』というくくりでインターネット検索されやすいこの地域ならではの特権を活かせると思います。

皆様の参考になりそうな大名1丁目地区で人気のお店をご紹介します。
【大名1丁目東側】
・スイートバジル(イタリアン)
・タッカンマリ陳(タッカンマリ)
・コマツプルミエ(イタリアン)
・弐ノ弐(餃子)
・一風堂(ラーメン)
・レッドロック(ローストビーフ丼)
・ばくだん屋(廣島つけ麺)
・コーデュロイカフェ(カフェ)
・ニクヤキ極味や(焼肉)
・まつなが(焼鳥)
・ゴールデンタイムズ(韓国料理)

【大名1丁目西側】
・BARRANCA(メキシコ料理)
・アンジェロ&ミカエル(チーズフォンデュ)
・SOL FAMILIA(イタリアン)
・蔵元(焼肉)
・お好み焼き好房(お好み焼き)
・枡本(辛麺)
・へて(焼鳥)
・表邸はなれ(和食)
・陽なた家(居酒屋)
・BUTABARA TO THE WORLD(焼鳥)
・釜喜利うどん(うどん)

ここで3件ほど人気店舗についてご紹介したいと思います。
『BARRANCA(バランカ)』
HP↓
http://www.opefac.com/barranca/
福岡市中央区大名1丁目2-10
こちらのBARRANCAは大名1丁目の西側エリアに位置する国体道路沿いの戸建の店舗です。HPをみていただくとお分かりになると思いますが、何といってもお店の内装がオシャレで席数が170席もあるのですが、天高10mのおかげで開放感がある作りになっています。
料理はメキシカンをベースにイタリアンやスペイン料理の要素を取り入れた「フュージョン メキシカーナ」と銘打ち他店のメキシカンやイタリアンと差別化。人気の天使の生ハムをフードメニュー2品とドリンク注文+680円で食べ放題というサービスで話題性を持たせたり、華やかな盛りつけ方をした料理の格安飲み放題付パーティープランを用意することで、女子会や結婚式2次会の利用客を取り込んでいます。さらにそういったパーティー利用の場合は料理の写真や店舗名をSNSにあげる人が多く、“SNSで話題の店”という位置づけでさらに若者たちの目を引き、集客につながっています。

『お好み焼き好房』
食べログ↓
https://tabelog.com/fukuoka/A4001/A400104/40004306/
福岡市中央区大名1丁目9-17
続いては、大名の中でも細い路地にある『お好み焼き好房』をご紹介します。
こちらは広島お好み焼きのお店なのですが、まず大名初心者には場所がわかりづらく看板も小さいのでなかなか強気の隠れ家的なはずなのに、連日予約でいっぱいの人気店です。
内装はシンプルの中に上品さがある感じで、焼く工程をよく見られるカウンターもあり、幅広い世代が入りやすいのが特徴です。お好み焼き系統のメニューだけでなく本格的なお肉や海鮮の鉄板焼き、おつまみメニューもあり、いろいろな楽しみ方ができるため“次はあのメニューを食べたい”という気持ちになります。また、平均客単価が3~4,000円とリーズナブルで、高いというイメージがある本格鉄板焼きのような雰囲気を楽しんだお客様の満足度がぐっとあがるため、“また行きたい”とリピーターが続出しています(お肉の種類にもよりますが、鉄板焼きは7~8,000円でも安いと言われる)。さらに店内が20席ほどと小規模のため、すぐ予約で埋まってしまう→予約が取れない店→人気店という認識され、予約が入りやすくなるというサイクルが生まれています。店舗自体の坪単価も安いので利益を上げやすく、個人経営の小規模店舗を始められる方は参考にしてほしいお店ですね。

『アンジェロ&ミカエル』
HP↓
http://www.angelo-g.jp/angero/
福岡市中央区大名1丁目6-13バルビゾン95-1F
3店目はチーズフォンデュの『アンジェロ&ミカエル』をご紹介します。こちらはチーズ料理がメインのお店で、最大の特徴は“他にはない味のチーズフォンデュ”です。店名になぞらえた普通のチーズフォンデュ(てんし)と激辛チーズフォンデュ(あくま)を筆頭に抹茶、ベリールージュ、こがしめんたい、ココナッツグリーンカレー、栗とマッシュルーム(期間限定メニュー)の中から2つを選んで楽しめます。またチーズ好きが多い女性に好まれるポップな内装や料理をアフタヌーンティーセットにのせて運んだり、大きなパルメザンチーズの器でリゾットを仕上げ調理し、それを石鍋にいれることで、普通のリゾットと最後はおこげでパリパリになったチーズも味わえます。いつもとちょっと器をかえることによって見た目でテンションを上げるだけでなく、味や触感が単調にならないように工夫してあるところが、根強いファンが多い秘訣なのではないでしょうか。

【最後に…】
いかがでしたでしょうか?
どのような立地のどんな物件であれ、長く愛されるお店を作るのは本当に様々な工夫が必要となってきます。ですので、この狭い中で多くの要素がそろう大名でご自身と似た業態のお店をリサーチしてみると、人気店とそうでないお店の違いに気づいたり、ご自身の理想と現実のギャップがわかったり、他のエリアに目を向けた時の物件の見方が変わってくるかもしれません。
出店したい気持ちはあるのになかなか物件が決まらない方は、実現が厳しいところにこだわってしまっている可能性があるため、客観的にみてみることで気づく点もあると思います。

もっと詳しい情報やご自身が出店を希望されているエリアについて知りたい方は、是非下記連絡先に気軽にご相談ください!