福岡エリアマーケティング

博多駅前1丁目のエリアマーケティング

【博多駅前の基本情報】

駅前全体図
南北は百年橋通りから国体道路と御笠川が交わるところまで直線距離で約1.9km、東西は博多駅からキャナルシティイーストビル東側のあたりまで直線距離約850mのエリアで、北から南へ1~4丁目と並んでいます。


【博多駅前1丁目ってどんなところ?】

博多駅の西側出入口の博多駅口の前に広がる博多駅前エリアの中での最も北側に位置しています。
ホテルとオフィスが密集していて、ビジネスマンと宿泊客狙いの飲食店が多いエリアです。

以前はラブホテルなどが多くあり昔の春吉や今泉のように夜の怪しい街というイメージが強いエリアでしたが、博多駅前の再開発によって大きく明るいイメージに変わりました。

博多駅前の中心からは大博通りと空港通りに分断されているので、博多駅の中で活動するショッピング客がわざわざ訪れるエリアというわけではありません。
しかしながら、周辺のオフィスやホテルからの需要が大きく博多駅前1丁目は基本的にはその需要で成り立っています。

博多駅周辺エリアは非常に人気の高いエリアです。
これは、博多駅周りには近年多くの人が集まりどんどん集客力が高まっていて、かつ客単価が天神エリアに比べて高いことが人気の理由として挙げられます。

しかしながら、このエリアへの出店を考えられる際には、博多駅前という地名ブランドに引っ張られすぎると大きな失敗をする可能性があります。
博多駅前1丁目は大通りに分断されているため、基本的には付近で活動する方々をターゲットとするミクロ的な視点で考えた方が成功のための戦略を捉えやすいと思います。


【博多駅前1丁目の交通アクセス】

エリア内には博多駅地下街の入口が複数あり、数年前に空港通り側に博多駅前1丁目~バスターミナル2F~博多駅ビル2Fを繋ぐ歩道橋ができたため、地下と地上両方から新幹線、JR、地下鉄、バスターミナルに容易に接続することが出来ます。

地下鉄は空港線「博多」駅の博多口と「祇園」駅が最寄り駅で、天神・福岡空港へ数分で着きますし、大博通りの地下には祇園駅から博多駅まで地下通路及び地下駐輪場があり、地下鉄の駅から地下を通って駅前1丁目に出ることができます。

バスターミナルからは福岡市内だけでなく高速バスで全国各地と繋がっており、天神のバスセンターと並ぶ、バスの拠点となっています。


【博多駅前1丁目の人通りについて】

下の地図では博多駅前1丁目の歩行者数の分布を色で表わしてみました。
(赤>濃ピンク>薄ピンクで歩行者数を表しています)
博多駅前1丁目歩行者数
基本的には大博通り、空港通り沿いに大きな人の流れがあります。
大通りに近いほど人の流れが多くなるのは間違いないのですが、比較的このエリアは全体的に満遍なく人の流れがあるのが特徴です。

そして、大博通り沿いにオフィスビルが立ち並んでおり、ビジネスマンの通勤・ランチタイムが人通りのピークとなるため、休日よりも平日の方が飲食店需要は大きくなります。

北側の川の方に行くほど人の流れは少なくなりますが、全体的に緩やかに人が動いていると理解していただければと思います。


【博多駅前1丁目の狙い目】

先に述べたように博多駅からの集客はあまり考えず想定された方が成功確率は高いと思います。
ホテルが不足している福岡において博多駅前1丁目のホテル需要は非常に高く、エリア内で活動する人は非常に多数になります。

こういった特徴により、エリア内で特に気をつける必要があるのはビジネスホテルとオフィスビルの位置です。

ビジネスホテルとオフィスに近い場所で、その拠点と博多駅との移動直線上にある位置が成功しやすいと思います。

とはいえ、付近で活動する方をターゲットとするため、博多駅にある多くの人を無尽蔵に集客できるというイメージでこのエリアを攻めると大きな間違いを起こす可能性があります。

あなたのお店の業態が耐えられる賃料帯をしっかりと踏まえつつ、慎重に物件を選んでいただきたいと思います。



今までと趣向を変えて、OPEN福岡スタッフの行きつけのお店・大好きなお店をご紹介しようと思います。

『スタミナ家どろんぱっ』
食べログ↓
https://tabelog.com/fukuoka/A4001/A400101/40025387/
福岡市博多区東比恵4-6-7ピバーライフかねひろ1F

内装には決してお金をかけてはいない。
肉焼きコンロも安いどこにでもあるものを使っています。
ダクトの排気量も充分とは言えず、店内には肉を焼いた煙が立ち込める。
立地も最高とは言えない目立ちにくい場所。
かといって客単価も6000円を超える安売りのお店ではない。

飲食店出店の際に挙げられるすべてといっていいほどのマイナス要素を背負っている一見悲劇のお店ともいうべき焼肉屋さんなのですが、平日でも客入りは満席。
極上の松坂牛とサービスでファンを獲得し集客に成功している繁盛店です。

地下鉄空港線東比恵から徒歩10分程度の立地ですが、御笠川沿いに面しているため付近に住む方にしか視認してもらうことが厳しい位置にあります。
行列ができるお店として有名な多牛東比恵店に比べると大きく不利な立地で営業されています。

人気の秘密は、この店でしか食べられないといっていいほどの良質な松坂牛。
下の肥えた焼肉ファンが唸るほどの肉が、その雑多な内装や立地を逆に価値のあるものに昇華しています。

メニュー構成は、基本的にその日の仕入れにより決められるため、お店に張り出しているメニュー紙を見て注文することになります。

一見すると内装と立地からは考えられない値段のメニューが張り出されています。
正直、初めて訪れた方の中には戸惑う方もいるかもしれません。
でも、注文して運ばれてくるお肉はただ一言、『極上』。
一口頬張るとつけられた値段がとても安く感じます。

“値段よりも高い価値を提供する”という商売の基本をこのお店で再確認させていただいた想いでいます。


『タカズキッチン』
食べログ↓
https://tabelog.com/fukuoka/A4001/A400104/40025164/
福岡市中央区大名1丁目4-11カームプレイス2F

こちらはこだわりのイタリアン料理・ワイン提供してくれるお店です。

場所は大名ですが、良い立地にあるとは決して言えません。
路地を入って、分かりにくい建物への入口(言いすぎかもしれませんが、、)に入り階段で上がってお店に入ります。
入口には目立つ看板とかが無いので、下手すれば通行人から認知されずに通りすぎられてることが多いと思います。
私も最初は一回では辿り着けませんでした。

そんな苦労をして辿り着いても、満席で入れないこともあります。

人気の秘密をこのタカズキッチンによく行く方と話す機会があり、僕も一緒の理由で3年近く通っていたので驚きました。

その理由は以下の3点です。
・料理がおいしいのはもちろん、飲み放題のコースにしても満足度の高い料理で「この値段でこのボリューム!?」と思うほどお腹いっぱいにしてくれる『コストパフォーマンス』
・賑わっていて周りがざわざわしているのにうるさく感じない『居心地のよさ』とまた来ても良いと思える『雰囲気のよさ』
・定期的に行っている『交流イベント』

女性に好まれる雰囲気で、かつ男性グループでも浮かない幅広い層にウケるお店作りをしてあり、内装や雰囲気に関してはお客様にタダで提供できるサービスであることを実感しました。

僕以外にも同じ理由で来ている方がいるということは、来店されたお客様に同じように思っていただける可能性が高いことは容易にわかります。

立地、値段、量、雰囲気については資金的な問題もあるので、100%理想とはいかないでしょうが、お客様のことを考えて作ったお店というのは、その気持ちが自然とお客様につたわるのではないでしょうか。


『中島町倶楽部』
HP↓
http://nakashimacho.com/
食べログ↓
https://tabelog.com/fukuoka/A4001/A400102/40035866/
福岡市博多区中洲中島町4-21

福岡が誇る歓楽街の中洲の北側に位置する中洲中島町。
三角洲の北端にあたるこの地の東側にこちらの中島町俱楽部はあります。

20年ほど前に空間デザイナーの中村久二氏(株式会社ZEN環境設計)が屋台をコンセプトに造った建造物で、キッチンの壁は懐かしさを感じるレンガ、コの字型のカウンターは木目が美しく、コンセプトの屋台に合った背もたれのない木でできた切り株のような丸椅子。

『ファーストクラスの屋台』

そうHPの中で目指すところを表現してありますが、
雑多なイメージの屋台とは程遠いほどの凛とした佇まいの店内とホスピタリティの高さは、
まさに『ファーストクラス』

それでいて、カウンター越しに調理をする料理長やスタッフはフランクで博多の屋台のなじみやすさを併せ持つ、とても気持ちがいいお店です。

メニューには九州・博多の素材を活かした料理と各地から集めた醸造酒がずらりと書いてあり、その中にはなかなか手に入らないお酒もあります。
なにを飲むか迷ったらスタッフにきけば、その人の好みや料理に合うものを提案してくれ、料理やお酒に関する知識の深さに感動を覚えます。

料理はアラカルトもいいですが、要予約の8,000円から相談できるコースをオススメします。
お任せなので、何が出てくるかは時期やその日の仕入れによって変わりますが、シンプルなように見えて実に奥深い組み合わせを教えてくれるのです。
かなりゆっくりとしたペースのコースなので、行かれる場合は時間に充分余裕を持っていただくか先にお伝えしておくと対応してくれますので、そこだけ注意が必要です。

しかし、そんな次の料理を待っている時間さえも、丸見えのアイランドキッチン内での料理人の手さばきに見とれていたり、スタッフと話していたりしていたらあっという間に過ぎてしまいます。

お酒を飲みすぎるとなかなかお値段張ってしまいますが、満足感からすると安く感じますし、人にきかれたら高確率でここを挙げるほど自信をもってオススメできるお店です。



【最後に…】

いかがでしたでしょうか。
博多駅前エリアの中でも特殊な博多駅前1丁目についてご紹介してまいりました。
オフィスメインの街なので、オフィスマン狙いの方にはもってこいの場所ですが、なかなか飲食店可能な物件が出にくく、このあたりの立地を狙うのは正直年単位で待つ余裕がないと厳しいかもしれません。

後半は今回スタッフのオススメのお店をご紹介してみました。
3店舗雰囲気やジャンルは別々のお店なのですが、それぞれ違った形で“お客様を喜ばせよう”とする気持ちが伝わるお店ではないかと思います。
内装は雑だけれど、いいお肉を割安でいただけるお店
場所はわかりづらいけれど、コストパフォーマンスがいいお店
少し値段は張るけれど、感動をくれるお店
この“~けれど”というのがこの書き方では欠点に見えますが、ある意味他店との差別化できるヒントになっているのではないでしょうか。